玄関ドアのきしみ音(キーキー・ギーギー)の原因。音の出どころ別の対処と潤滑剤の注意

玄関ドアのキーキー・ギーギーというきしみ音は、音の出どころによって対処が違います。丁番(蝶番)の音には、LIXILがグリスを案内しています。一方、鍵穴やラッチには、メーカー各社が市販の油系潤滑剤を使わないよう注意しています。シリコンスプレーを吹く前に、どこから鳴っているかを確かめてください。部位ごとの切り分けを整理します。
交換を検討する場合は、価格帯(工事費・税込)で商品を確認できます。
音の出どころを先に確かめる
ドアをゆっくり開け閉めし、音が鳴る場所と、鳴るタイミングを確かめます。部位ごとに見る点は次のとおりです。
| 音の出どころ | 見る点 | メーカーの案内の方向 |
|---|---|---|
| 丁番(吊元側) | 開閉の途中で鳴るか | グリス切れならグリス。曲がりなら交換 |
| ドアクローザー(上部) | 油がにじんでいないか | 油漏れは調整では直らない |
| ラッチ・ストライク(戸先側) | 閉まる瞬間に鳴るか | 市販の潤滑油を使わない |
| 枠・気密材 | 扉が枠にこすれていないか | 建て付けの点検 |
| 扉全体 | 日が当たる時間だけ鳴るか | 温度差による音のことがある |
この表は、メーカー各社の情報を部位ごとにまとめた目安です。メーカーが示している切り分けの手順ではありません。部位の名称は玄関ドアの各部の名称。上・横・下の位置で引ける早見表と、戸先とはをご覧ください。
丁番のきしみ:原因は3つ
LIXILは「玄関ドアの丁番から異音がする」場合の原因と対処を、次の3つに分けています(出典:LIXIL Q&A「玄関ドアの丁番から異音がする」)。
- 勘合部のグリスが切れている:図で示された部分にグリスを付ける
- 心棒が曲がっている:丁番の交換が必要
- 丁番が曲がっている:建て付けの調整または丁番の交換が必要
グリスを付ける位置は図で示されているため、作業の前に出典のページでご確認ください。LIXILは「潤滑油でも一時的には納まりますが、グリスをおすすめします」としています。丁番の交換と建て付けの調整は、LIXIL修理受付センターへの依頼が案内されています。
2026年10月に確認した範囲では、YKK AP・三協アルミの公式情報に、玄関ドアの丁番への給油の案内は見当たりませんでした。両社の手順は確認できなかったため、取扱説明書をご確認ください。丁番の調整は玄関ドアの調整方法。症状別の調整箇所と、自分でできる範囲・業者に任せる範囲で扱っています。
シリコンスプレーを使ってよい場所・いけない場所
潤滑剤の扱いは部位で違います。メーカーが示している内容を並べると次のとおりです。
| 部位 | メーカーの案内 | メーカー |
|---|---|---|
| 丁番 | グリスをすすめる。潤滑油は一時的 | LIXIL |
| ラッチ箱錠 | 鍵穴専用のスプレーで清掃。「市販の潤滑油は絶対に使用しないでください」 | LIXIL |
| カギ穴 | 「油の含まれている潤滑剤(CRC、シリコンスプレーなど)は使用しないでください」 | YKK AP |
| カギ穴 | 「市販の合成潤滑剤などを注油しないでください」 | 三協アルミ |
出典は、YKK APの「使い方・お手入れガイド(玄関ドア)」と、三協アルミのお客様相談室だより「玄関の鍵のお手入れについて」です。三協アルミは「油がほこりを呼び、動きを悪くすることがあります」と理由を説明しています。ラッチは玄関ドアのラッチが引っかかる・かからない。原因とストライク調整、潤滑剤の注意、鍵は玄関ドアの鍵が回らない・重い。原因の切り分けとやってはいけないことで扱っています。
ドアクローザーと気密材(戸当たりのゴム)について、潤滑剤を使ってよいかを示したメーカーの情報は確認できませんでした。音が気になる場合は、施工した業者かメーカーの修理窓口にご相談ください。
ドアクローザーの油漏れは交換のサイン
ドアクローザーは、YKK APが「ドアの閉まる速度を制御している部品です」と説明している、ドア上部の部品です。製品評価技術基盤機構(NITE)は、ドアクローザー付きの製品の点検ポイントに「グラグラしないか、オイルが漏れていないか」を挙げています(出典:NITE「放置しないで!窓・ドアの危険サイン」)。
YKK APは「調整弁(ネジ)をまわしすぎないでください。油漏れを起こす可能性があります」とも注意しています。油漏れは調整では直らず、交換を考える段階です。判断の目安は玄関ドアがバタンと閉まる原因と調整方法。ドアクローザーの速度調整弁の回し方で扱っています。
日が当たる時間だけ「パキパキ」「ギシギシ」鳴る
開け閉めしていないのに音がする場合は、温度差が原因のことがあります。YKK APは、日差しを受ける室外側と室内側の温度差で、部材の間に摩擦が生じて異音が発生することがあると説明しています。そのうえで「ドアや引戸の不具合ではありません」とし、日が陰ると「自然になくなります」としています(出典:YKK AP よくあるお問い合せ「玄関ドア(引戸)から、パキパキ、ギシギシ、コーンなどの異音がするのですがどうしてですか。」)。
放置しないほうがよい音
三協アルミは、長年使ったドアで「ドアの開閉時にきしみ音などの異音がする」場合、ドアの使用を中止し、購入先かお客様相談室に点検・修理を依頼するよう案内しています(出典:三協アルミ「長年ご使用のお客様へ」)。NITEも「開閉時に異音がしないか」を点検ポイントに挙げています。
玄関ドアSHOPのお客様の声1,017件のうち、「異音」「きしみ」という言葉で触れたものは5件で、交換のきっかけになった例もあります。
玄関のドアの開閉時に異音がしたり、鍵も防犯に安全性が高いものに替えたいと思ったのとかれこれ30年近くなっていたので。
(2018年5月・兵庫県)
カバー工法では、丁番・ドアクローザー・錠もまとめて新しくなります(玄関ドアのカバー工法とは?最短1日で終わる仕組みと向かないケース)。玄関ドアSHOPの取扱229商品は、工事費込みで278,600円からです(2026年10月時点・税込)。
よくある質問
丁番にシリコンスプレーを吹いてもよいですか
LIXILは、丁番にはグリスをすすめ、潤滑油は「一時的には納まります」としています。スプレーが鍵穴やラッチにかからないようご注意ください。
丁番の音を業者に直してもらうと、いくらかかりますか
LIXILは「開閉時に異音がする」場合の目安として、丁番・ヒンジの清掃調整を19,000円〜33,000円と公表しています(2025年6月時点・LIXILが行う修理の概算。出典:LIXIL「修理費用の目安」)。
開け閉めが重いのもきしみと関係がありますか
丁番やドアクローザーが原因のことがあります。玄関ドアが重い・開けにくい。原因は4つをご覧ください。
あわせて読みたい記事:玄関ドアの蝶番(丁番)調整。上下・左右の直し方と、調整できないケース、玄関ドアの修理はどこに頼む?症状別の直し方とメーカー公表の費用目安
まとめ
- きしみ音は、丁番・ドアクローザー・ラッチ・枠など出どころで対処が違う
- 丁番の音は、LIXILがグリスを案内。心棒や丁番の曲がりは交換
- 鍵穴とラッチには、市販の油系潤滑剤を使わないようメーカーが注意している
- ドアクローザーの油漏れは調整では直らない。交換を考えるサイン
- 日が当たる時間だけ鳴る音は、温度差によるもので不具合ではないことがある
音が続く場合は、施工業者かメーカーの修理窓口にご相談ください。交換を検討する場合は、玄関ドアSHOPで無料の現場調査・採寸を承っています。