はつり工法の玄関ドア交換とは?カバー工法との違いと補助額の差

はつり工法は、今の玄関ドアを枠ごと取り外し、新しい枠を取り付けて交換する方法です。国の補助制度では、枠を残すカバー工法と別の工事として定義され、戸建住宅の補助額はカバー工法より低く設定されています。工事費の相場は、公的機関・メーカーの公表値を確認できませんでした。公式の定義と補助額の違い、見積りで確かめたい点を整理します(2026年10月時点)。
玄関ドアSHOPの取扱商品は、すべてカバー工法用のリフォーム用玄関ドアです。
はつり工法とカバー工法の違い(国の定義)
先進的窓リノベ2026事業の公式サイトは、ドア交換を2つの工法に分け、それぞれ次のように定義しています。
| 工法 | 既存の枠 | 公式の定義 |
|---|---|---|
| はつり工法 | 取り外す | 「既存ドアを枠ごと取り外し、新たな枠を取り付け、ドアを交換する工事」 |
| カバー工法 | 残す | 「既存ドアについて枠を残して取り除き、既存枠の上から新たな枠を取り付け、ドアを交換する工事」 |
出典:先進的窓リノベ2026事業「ドア交換(はつり工法)」、同「ドア交換(カバー工法)」。LIXILのQ&Aも同じ文言で2つの工法を説明しています。
違いは既存の枠を取り外すか、残すかの1点です。カバー工法についてLIXILは「今ある枠の上から、新しい枠を取り付けるだけだから、壁や床を傷める心配もありません」と説明しています(出典:LIXIL リシェント玄関ドア3「1日で施工」)。はつり工法の工期や補修の範囲の説明は、確認した公式ページには見当たりませんでした。カバー工法の仕組みは玄関ドアのカバー工法とは?最短1日で終わる仕組みと向かないケースで扱っています。
補助額は工法で違う(先進的窓リノベ2026事業)
1製品あたりの補助額は、建物の種類・工法・性能区分(熱貫流率Ud値。数値が小さいほど熱を通しにくい)・面積で決まります。戸建住宅の金額は次のとおりです。
| 性能区分・サイズ | カバー工法 | はつり工法 |
|---|---|---|
| P(Ud1.1以下)・特大 | 239,000円 | 194,000円 |
| P・大 | 188,000円 | 149,000円 |
| S(Ud1.5以下)・特大 | 156,000円 | 117,000円 |
| S・大 | 124,000円 | 92,000円 |
| A(Ud1.9以下)・特大 | 116,000円 | 86,000円 |
| A・大 | 88,000円 | 63,000円 |
| 性能区分・サイズ | カバー工法 | はつり工法 |
|---|---|---|
| P・中 | 138,000円 | 110,000円 |
| P・小 | 89,000円 | 69,000円 |
| S・中 | 92,000円 | 68,000円 |
| S・小 | 60,000円 | 44,000円 |
| A・中 | 66,000円 | 48,000円 |
| A・小 | 41,000円 | 29,000円 |
サイズは特大4.0㎡以上、大2.8〜4.0㎡未満、中1.6〜2.8㎡未満、小1.0〜1.6㎡未満で、LIXILは面積を「ドア枠の枠外寸法」としています。
戸建住宅では、はつり工法の補助額はどの区分でもカバー工法より低く、カバー工法の約7〜8割です。低層集合住宅(3階建以下)も同じ金額です。中高層集合住宅(4階建以上)は工法による差がなく、どちらも同じ金額(P・特大で302,000円など)です。
補助を受ける条件は工法を問わず共通
どちらの工法でも、ドア交換は他の窓の工事と同一の契約で、同時に申請する場合のみ対象です。次の例は補助対象外とされています。
- 外壁等に新たに開口部を設けて設置するドア(二世帯住宅への改修で追加する場合を含む)
- 交換工事前の数を上回る数のドア(既存と同数までが対象)
もう1つの制度、みらいエコ住宅2026事業では、ドア交換を「既存のドアを取り除き、新たなドアに交換するもの」とし、「(工法は問いません。)」と明記しています。補助額にも工法の区別はありません(出典:みらいエコ住宅2026事業「開口部の断熱改修」)。制度の全体像は【2026年度】玄関ドアの交換に補助金は使える?窓とセットが条件になる理由をご覧ください。
対象商品も工法ごとに分かれる
LIXILのQ&Aでは、補助対象の商品がカバー工法用とはつり工法用に分けて案内されています。
- カバー工法用:戸建向けはリシェント玄関ドア3・リシェント玄関ドア3(防火戸)・リシェント勝手口ドア。「性能区分P(熱貫流率1.1以下)に対応した製品はありません」と注記されています
- はつり工法用:木造用のおすすめとして、玄関ドアXE、グランデル2、ジエスタ2・ジエスタ2防火戸、エルムーブ2・エルムーブ2防火戸が挙げられています
出典:LIXIL Q&A「はつり工法用の対象商品」、同「カバー工法用玄関ドア「リシェント」の対象商品」。はつり工法用のおすすめに、リシェントの名前はありません。ジエスタ2はLIXILの新築向けの選び方ツールの対象になっている商品です。新築用とリフォーム用の違いは新築用とリフォーム用の玄関ドアの違い。性能値の示し方まで変わる理由とジエスタ2とリシェント玄関ドア3の違い。リフォームで選ぶのはどちらかで扱っています。
費用の相場は公表値を確認できない
2つの補助制度とLIXILのQ&Aを確認した範囲では、はつり工法の工事費の目安は公表されていませんでした。このため金額の相場は示しません。
カバー工法については、玄関ドアSHOPの取扱229商品の価格が278,600円〜1,499,400円です(工事費・税込、各商品の最小サイズの価格、2026年10月時点)。はつり工法と比べる場合は、次の点を見積りでそろえると比べやすくなります。
- ドアの商品名と、新築用かリフォーム用か
- 撤去する範囲と、枠のまわりの補修・仕上げが含まれるか
- 工期と、ドアが付いていない時間帯の扱い
- 補助金を使う場合、どちらの工法で申請するか(補助額が変わるため)
見積りの見方は玄関ドアリフォームの見積りの取り方。確認したい6項目と業者選び、カバー工法の価格は玄関ドアのリフォーム・交換費用の相場は?取扱229商品の実価格で解説をご覧ください。
よくある質問
はつり工法なら玄関の開口を広げられますか
公式の定義は枠ごと取り外して交換する工事で、開口を広げられるかまでは書かれていません。補助制度では、外壁等に新たに開口部を設けて設置するドアは対象外です。カバー工法では開口は広がりません(玄関ドアのサイズ変更はできる?大きくできない理由と、タイプで変えられること)。
どちらの工法になるかは、何で決まりますか
カバー工法は既存の枠を下地として使うため、枠の状態と寸法が前提になります。条件は玄関ドアが交換できないケース。カバー工法で断られる条件で整理しています。ご自宅の枠が使えるかは、現場調査でご確認ください。
あわせて読みたい記事:リクシル玄関ドアの不具合を症状別に。鍵・電気錠エラー・ドアクローザの公式Q&A索引
まとめ
- はつり工法は既存ドアを枠ごと取り外す交換方法。カバー工法との違いは枠を残すかどうか
- 先進的窓リノベ2026事業の戸建住宅では、はつり工法の補助額はカバー工法の約7〜8割(P・特大で194,000円と239,000円)
- 中高層集合住宅は工法による差がない。みらいエコ住宅2026事業は「工法は問いません」
- LIXILの補助対象商品は、カバー工法用とはつり工法用で分かれている
- はつり工法の工事費の相場は公表値を確認できない。見積りの条件をそろえて比べる
今の枠でカバー工法が使えるかは、玄関ドアSHOPの無料の現場調査・採寸でご確認いただけます。