小さな子ども・ペットがいる家の玄関ドア

玄関は、小さなお子さんやペットが外に出てしまう可能性のある場所です。同時に、指をはさむ・急に閉まるといった事故も起きます。この記事では、玄関ドアでできる対策と、メーカーが注意している設定について整理します。
調整に関する内容はYKK AP「使い方・お手入れガイド(玄関ドア)」にもとづきます。実際の作業は、必ずお使いの商品の取扱説明書に従ってください。
脱走は「閉まりきっていない」ことから起きる
お客様の声に、具体的な例があります。
今まで引き戸タイプで、どうしても閉め忘れで隙間があり猫の脱走が心配でドアタイプにしたくお願いしました。
(2024年1月・福島県)
設置前は引き違いの玄関で、レールの調子と鍵が二ヵ所壊れて小さな子供が脱走するので交換することになりました。
(2020年3月・兵庫県)
いずれも「少しだけ開いた状態」が生まれていたことが共通しています。引き戸だけでなく、開きドアでも建て付けが狂って閉まりきらない状態であれば同じことが起きます(玄関ドアが重い・開けにくい)。
玄関ドアでできる対策
1. 確実に閉まる状態にする
もっとも基本です。開きドアはドアクローザーで自動的に閉まり、ラッチがかかります。この機構が正常に働いていれば、「少し開いたまま」は起きにくくなります。
閉まりが悪い場合は、ラッチ受けの位置やドアクローザーの調整で改善することがあります(玄関ドアが「バタン」と閉まる)。枠そのものがゆがんでいる場合は、扉側の調整では戻りません。
2. 自動施錠を使う
電気錠には、閉まると自動的に施錠される設定があります。施錠されていれば、内側からもレバーだけでは開けにくくなります。
ただし注意もあります。締め出しの可能性です。鍵を持たずに出ると、そのまま閉め出されます。電池切れ・停電時に備えて手動キーの携帯が前提という点も同じです(玄関ドアのスマートキーとは?)。
3. ドアガードを使う
ドアが大きく開かないようにする金具です。来客対応のための部品ですが、大きく開くことを防ぐ用途にも使えます。
ガタつく・かかりにくい場合は、受け金具の位置を調整できます。ただし「ネジは絶対にはずさないでください」とメーカーが注意しています。
⚠ 指はさみに注意する設定がある
ここは小さなお子さんがいるご家庭にとってもっとも重要な部分です。
ドアクローザーにはラッチングアクションという設定があります。閉まりきる直前に扉を素早く閉める角度のことで、メーカーは次のように注意しています。
ラッチングアクションの角度を必要以上に大きくしないでください。角度が大きいまま使用すると、指などをはさみやすくなり、けがをするおそれがあります。
あわせて「通常はシールで封印されています。不用意にさわらないでください」ともされています。
つまり「バタン」と閉まるのを直そうとしてここを触ると、かえって危険になる可能性があります。閉まる速度が気になる場合は、まず速度調整弁と取り付けネジのゆるみを確認してください。
また、メーカーは調整全般について「商品の調整に電動ドライバーは使わないでください」「調整に必要な箇所以外のネジをゆるめないでください。商品の不具合や思わぬけがの原因となります」としています。
玄関ドアでは対応できないこと
| やりたいこと | 玄関ドアでの扱い |
|---|---|
| ペットドア(ペット用の出入口)を付けたい | 玄関ドアSHOPの取扱商品にペットドアの設定はありません |
| 玄関内に柵・ゲートを設けたい | 玄関ドアの工事範囲外です |
| 指はさみ防止の部材を付けたい | 後付け部材の取り扱いはありません |
| 網戸を付けたい | 取扱商品に網戸付きの設定はありません。カギを閉めたまま換気したい場合は採風タイプ(採風ドア) |
玄関ドアの交換でできるのは「確実に閉まる状態にすること」と「施錠の仕組みを新しくすること」までです。それ以外の対策は、別の手段とあわせてご検討ください。
あわせて考えたい足元
カバー工法では下枠の段差が大きくなります。小さなお子さんはこの段差につまずくことがあります。
メーカーは「段差緩衝材などで段差をうめて対応しましょう」という方法を挙げています。詳しくは玄関ドアの交換で段差は増える?バリアフリーの視点で見る下枠をご覧ください。
また、玄関が暗いと足元が見えにくくなります。採光デザインという選択肢もあります(玄関が暗いのは玄関ドアで変わる?)。
現場調査で伝えておきたいこと
- 小さなお子さん・ペットがいる
- 閉め忘れ・脱走が心配である
- ベビーカーで通る動線である
- 玄関前がすぐ道路・階段である
これらを最初にお伝えいただければ、それを踏まえてご提案します。
よくある質問
ペットドア付きの玄関ドアはありますか
玄関ドアSHOPの取扱商品にペットドアの設定はありません。
子どもが自分で開けられないようにできますか
施錠されていれば内側からもレバーだけでは開けにくくなります。自動施錠を設定できる電気錠が選択肢になりますが、締め出しの可能性があるため運用は慎重にご検討ください(スマートキーとは?)。
ドアが急に閉まって危ないのですが
ドアクローザーの速度調整弁で変わる可能性があります。ただしラッチングアクションの角度は、大きくすると指をはさみやすくなります。自分で調整して改善しない場合は、建築業者・工務店・販売店にご相談ください(ドアクローザーの調整と交換の判断)。
強風のときに注意することはありますか
強風時は開けた瞬間に扉が煽られます。お子さんに開閉させないようご注意ください。メーカーも「ドアクローザーの付いたドアを無理やり開閉しないでください」としています(台風・地震と玄関ドア)。
まとめ
- 脱走は「少しだけ開いた状態」から起きる。確実に閉まる状態にすることが基本
- 自動施錠は有効だが締め出しの可能性があり、手動キーの携帯が前提
- ⚠ ラッチングアクションの角度を大きくすると指をはさみやすくなる。通常は封印されており、不用意にさわらない
- ペットドア・網戸・後付け部材の取り扱いはない
- 下枠の段差が大きくなる点と、玄関の明るさもあわせて考える
ご家族の状況を最初にお伝えいただければ、それを踏まえてご提案します。玄関ドアSHOPでは無料の現場調査・採寸を承っていますので、お気軽にご相談ください。取扱商品は玄関ドアの商品一覧でご覧いただけます。