玄関ドアを車椅子で通るには?有効幅750・800mmの目安と、交換前に確かめること

車椅子で玄関ドアを通るときの幅は、国土交通省の「高齢者が居住する住宅の設計に係る指針」が目安になります。玄関の出入口の幅は基本レベルで750mm以上、推奨レベルで800mm以上です。ここでいう幅は、扉の厚みを考えに入れた実際に通れる幅(有効幅)です。カバー工法で交換すると今より少し狭くなるため、今の有効幅を知ってから検討します。
玄関ドアSHOPの商品は、メーカーごとの一覧で確認できます。
車椅子で通るのに必要な幅の目安
国土交通省の「高齢者が居住する住宅の設計に係る指針」(平成13年国土交通省告示第1301号)は、介助用車いすを使う場面も想定して、住宅の設計上の配慮を示しています。出入口と通路の幅は次のとおりです。
| 場所 | 基本レベル | 推奨レベル |
|---|---|---|
| 玄関の出入口 | 750mm以上 | 800mm以上 |
| 通路 | 780mm以上(柱等の箇所は750mm) | 850mm以上(柱等の箇所は800mm) |
(出典:国土交通省「高齢者が居住する住宅の設計に係る指針」)
メーカーも同じ水準を示しています。YKK APは「一般的に、車いすの通過などを踏まえて必要とされる有効開口幅は750mm以上とされています」と説明しています。あわせて「日本工業規格(JIS)では手動車いすの幅は610mmですが、この幅はあくまでも基準値でより幅の広い製品(サイズ)も存在します」とも書いています(出典:YKK AP「多世代で使える玄関のバリアフリーリフォーム」)。
指針の数値は住宅一般の設計上の配慮です。お使いの車椅子の幅も測っておくと判断しやすくなります。
「通れる幅」と「枠の寸法」は別のもの
指針は玄関の出入口の幅を、開き戸の場合は「建具の厚み」を「勘案した通行上有効な幅員」としています。つまり、枠の外から外までの寸法ではなく、扉を開けたときに実際に通れる幅です。
一方、玄関ドアSHOPの商品ページの「幅」は、商品が対応できる開口部の寸法の範囲です。取扱商品の対応幅は、片開きで568〜982mm、親子で781〜1,496mmです(全商品を通した外側の範囲)。商品ページには交換後の有効幅の記載はありません。750mmや800mmを確保できるかは、商品ページからは判断できません。測り方の目安はうちの玄関ドアは交換できる?対応サイズと測り方で扱っています。
カバー工法では今より少し狭くなる
カバー工法は既存の枠の内側に新しい枠を取り付けるため、通れる幅と高さは今よりわずかに小さくなります。どのくらい狭くなるかは既存の枠と商品によって変わり、一律の数値はお示しできません。工法上の理由は玄関ドア交換のデメリット6つ。カバー工法で避けられないことにまとめています。
今の有効幅が750mmや800mmに近い場合は、交換後に下回らないかを現場調査で確認してください。お客様の声にも「玄関ドアはドア有効開口間口が狭くなってしまう事でかなり迷ってしまったのですが、施工して頂いた結果オーライで」(2014年5月・大阪府)という記述があります。
開口部そのものを広げる工事は壁を壊す工事になり、カバー工法の範囲外です(玄関リフォームでどこまでできる?玄関ドアSHOPの工事範囲)。
親子ドアの子扉を開けて通る
開口部を広げずに通れる幅を増やす方法は、子扉も開く親子ドアです。LIXILの用語集は親子ドアを「両方開くことで、より大きな開口が得られます」と説明しています(出典:LIXIL 新日軽「玄関ドア用語集」)。玄関ドアSHOPの取扱229商品は、すべて親子タイプに対応しています。
ただし、子扉はふだん金物で固定しておき、使うときだけ固定を外して開けます。YKK APの事例紹介にも「リフォーム前は、開口を広くするために子ドア部分を開くのが手間に」という記述があります。使い方で分けると次のとおりです。
| 使い方 | 子扉 | 確かめること |
|---|---|---|
| 毎日、車椅子で出入りする | 開けたくない | 親扉だけで通れる幅があるか |
| 通院や外出のときだけ車椅子 | そのときだけ開ける | 子扉の固定を外す操作を誰がするか |
| 将来に備えたい | 必要になったら開ける | 今の開口に親子が収まるか |
今が片開きの玄関で親子に替えられるかは、今の開口部に親子が収まるかで決まります。片袖・両袖の袖は開かないため、袖付きにしても通れる幅は増えません。子扉の扱い方は親子ドアとは?子扉の役割・対応寸法・後悔しやすい点で扱っています。
段差・開け閉め・鍵も関わる
幅のほかに段差も関わります。指針は玄関の出入口では「くつずりと玄関外側の高低差を20mm以下とし、かつ、くつずりと玄関土間の高低差を5mm以下としたもの」を基本レベルの範囲としています。カバー工法では下枠の段差が大きくなることがあり、対策は玄関ドアの交換で段差は増える?バリアフリーの視点で見る下枠で扱っています。
- 開け閉め:開きドアは扉を押す・引く動作が要ります。閉まる速さはドアクローザーで調整できます(玄関ドアがバタンと閉まる原因と調整方法。ドアクローザーの速度調整弁の回し方)
- 鍵:電気錠なら鍵穴に鍵を差す動作が要りません(玄関ドアのスマートキー(電子錠・電気錠)とは?3メーカーの違いと選び方)
- 引き戸:玄関ドアSHOPでは引き戸を取り扱っていません
指針は、改修では「改修する住宅の構造による制約が生じることに留意する」とし、理学療法士や作業療法士など専門家の意見を聞くことが望ましいとしています。
介護保険の住宅改修について
厚生労働省の資料では、介護保険の住宅改修の種類は「手すりの取付け」「段差の解消」「引き戸等への扉の取替え」など6つです。支給限度基準額は生涯20万円で、保険給付は原則9割(上限18万円)です。申請は原則として工事の前に行います(出典:厚生労働省「住宅改修の概要」)。
扉に関する種類の名称は「引き戸等への扉の取替え」です。開きドアから開きドアへの交換が対象になるかは、この資料からは確認できませんでした。契約・着工の前にケアマネジャーや市区町村の窓口にご確認ください。
よくある質問
今の玄関が750mmあれば車椅子で通れますか
750mmは指針の基本レベルの数値で、住宅一般の目安です。車椅子の幅は製品によって異なります。また、交換すると今より少し狭くなるため、交換後の幅で考える必要があります。
現場調査では何を伝えればよいですか
車椅子で通る動線であること、使っている車椅子の幅、介助者が付くかどうかをお伝えください。
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まとめ
- 国の指針では、玄関の出入口の幅は基本レベル750mm以上、推奨レベル800mm以上
- この幅は扉の厚みを考えに入れた「実際に通れる幅」。枠の寸法とは別のもの
- カバー工法では通れる幅がわずかに小さくなる。今の幅が目安に近いなら現場調査で確認する
- 開口を広げずに幅を増やすなら親子タイプ。毎日通るなら親扉だけで足りるかを確かめる
- 段差は別に確認する。介護保険の住宅改修で対象とされる扉の工事は「引き戸等への扉の取替え」で、開きドアどうしの交換が対象かはケアマネジャー・市区町村に確認する
交換後にどのくらいの幅で通れるかは、今の枠の寸法と状態を見て判断します。玄関ドアSHOPでは無料の現場調査・採寸を承っていますので、車椅子で通る動線であることを最初にお伝えください。